金融業界で働く人が転職活動をする場合、以下の3つの選択肢がある。
- 取引先の企業に転職する(法人営業の場合)
- 転職エージェントを利用する
- 転職サイトを利用する
今回は転職サイトを使った転職について解説する。
金融業界出身者が転職サイトで転職する手順
原則として転職サイトは無料で利用できるため、ぜひ活用することをおすすめする。
金融業界で働く人が転職サイトを使って転職する方法を解説する。
転職サイトに会員登録する
転職サイトは転職エージェントと異なり、自分で求人を見つけて応募する必要がある。
転職サイトによって求職者のターゲットは異なり、「第二新卒」「ハイクラス転職」「特定業種特化型」など様々な種類がある。自分の年代や経験に合致しない転職サイトに登録しても希望する求人が見つからないかもしれない。
どれを選べばいいのか分からない時には全世代・全キャリア・全業種をターゲットにした転職サイトに登録する。
求人を検索する
転職サイトで条件に合致した求人を検索する。
具体的には、「職種」「勤務地」「年収」といった条件で求人を絞り込むことができる。
また、さらに詳しく「雇用形態」「未経験歓迎」「完全週休二日制」「学歴不問」といった検索フィルターをかけることもできる。
最初は条件をたくさん設定して検索するのではなく、条件に優先順位をつけた上で最低限の条件で検索する。
幅広い選択肢の中から興味を持てそうな求人を選択しておくと良い。
応募書類を作成する
応募書類とは「履歴書」や「職務経歴書」などの書類である。
履歴書には「学歴」「職歴」「資格」「技能やスキル」「志望動機」などを記入する。
職務経歴書には、前職や現職の業務内容を詳細に記入する。
これらの書類は書類選考の可否を決める重要な書類である。
採用担当者は応募書類を基に求職者を判断するため、応募書類の完成度が低ければ面接に辿り着くことができない。
転職サイトでは応募書類のテンプレートを用意しているので、参考にしてレベルの高い書類を作成する。
求人に応募する
検索段階で興味を持った求人に応募する。
応募要件に合致していることが前提だが、すべての要件を満たしていなくても書類選考に通過することがある。
また、仕事内容や企業に大きな興味を持てなくても、選考段階で面接官の話を聞いて、関心がわくこともある。
少しでも興味を持ち、応募要件を満たしている場合には積極的に応募していいだろう。
応募する時には複数の求人に応募する。
一つの求人の選考結果がわかってから、他の求人に応募していては転職活動が長引いてしまう。
選考を受ける
書類選考に通過すると、面接の案内がくる。
転職サイトなので、企業から直接面接の案内がくるはずだ。日程調整をした上で、面接に行くことになる。
「志望動機」「職歴」「自己紹介」「自己PR」「強み・弱み」といった定番の質問への対策はしっかりしておこう。
面接を受ける企業については企業ホームページを熟読し、必要に応じて有価証券報告書や決算資料に目を通しておくと良いだろう。
金融業界からの転職でおすすめの転職サイト
たくさんの転職サイトがあるため、どれに登録すればいいのか分からない人もいるだろう。
転職サイトはそれぞれ特徴や強みが異なるため、理想の転職先を見つけるために転職サイト選びから転職活動が始まっている。
ここでは、金融業界から転職を考えている人におすすめの転職サイトを紹介する。
リクナビNEXT
リクナビNEXTは人材業界大手のリクルートが運営する国内最大規模の転職サイトだ。
転職者の8割が利用していると言われており、迷ったら取り敢えず登録しておきたい。
第二新卒などの20代から50代までの年齢をカバーし、ほとんどすべての業種、全国の求人を取り扱っている。
求人数は5万件以上と言われており、どんな人であっても希望や条件に合致する求人が見つかるだろう。
doda
dodaは転職サイト兼転職エージェントという特徴的な転職サイトである。
登録することで、求人を検索して、応募することも可能だが、転職エージェントのサービスも利用できるようになり、相談しながら進めることもできる。求人の検索では、詳細検索ができるため、希望する条件が明確な場合には絞り込んで検索してもいいだろう。
取り扱う業種や職種が幅広く、12万件以上の求人があるため、どのような年齢や業種であっても希望する求人が見つかるだろう。
ビズリーチ
ビズリーチは管理職や企画職といったハイクラス転職に特化したヘッドハンティング型の転職サイトだ。
年収1,000万円を超える求人が全体の3分の1以上を占めており、他にはない求人が見つかる。
経験を積んだ30代以降や特殊な専門スキルのある金融専門職の転職者におすすめだ。
金融業界出身者が転職サイトで応募しやすい転職先
転職サイトで求人を閲覧する時に応募条件を確認して、自分に応募する資格があることを確認する。
応募条件を満たしていないと応募しても書類選考の段階で落選してしまうことが多い。
ここでは、金融業界で働く人が応募しやすい求人について紹介する。
金融業界
意外なことかもしれないが、金融業界で働く人は次の職場に金融業界を選ぶことは珍しくない。
金融業界内の他の業種に転職することはよくあることだ。
銀行員が証券会社、証券会社から生命保険会社に転職するケースが該当する。金融業界内で転職することで、前職の経験を最大限活かすことができる。採用側も金融業界出身者を歓迎するので、転職のハードルも低い。
20代であれば、金融業界から異業種への転職も比較的容易だが、異業種への転職が難しい30代以降は金融業界内での転職が有力な選択肢だ。
また、家庭を持ってから、転勤を回避するために全国に支店のある大手金融機関から地方の金融機関に転職する例もある。例えば、大手都市銀行から地銀に転職する場合などが該当する。
IFA
IFAとは、“Independent Financial Advisor“の略称である。
日本語では、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」とか「独立系金融アドバイザー」と訳されている。
主に個人の顧客向けに金融アドバイスを提供したり、顧客ニーズを満たす金融商品を販売する。「独立系」という名称の通り、銀行や証券会社といった特定の金融機関に所属していない。したがって、中立・公平な立場から顧客に最適な金融商品の販売が可能だ。
金融業界出身者は金融に関する知識が豊富であり、IFAとして歓迎される。
求人の多くは証券会社での勤務経験を求めており、最低でも金融業界で勤務し、金融商品を販売した経験が必要だ。
IFAは個人事業主であるから、成果次第で青天井で稼ぐことができる。
自由な働き方や高い給与水準に魅力を感じて、金融機関からIFAに転職する人は多い。
事業会社の経理や財務
金融機関の中でも銀行員の転職先に多いのが事業会社の経理・財務担当だ。
銀行員以外でも簿記や財務諸表の知識がある金融マンに人気の転職先だ。財務諸表を読む力や企業のお金の流れに関する知識を活かすことができる。金融機関の営業マンが営業に疲れて、ノルマを追わなくていい職場として希望することが多い。
ただし、事業会社の部署の中でも経理や財務の年収は高くない傾向にある。
大手金融機関から転職する場合には大幅な年収ダウンの可能性があるだろう。
また、営業職と比べて経理や財務の募集は多くはないので、求人を見つけることは簡単ではない。
コンサルティングファーム
法人営業経験のある金融マンにおすすめなのがコンサルティングファームへの転職だ。
会社の経営戦略の把握と金融商品を通じた経営課題の解決という経験を持つ金融業界の法人営業の仕事はコンサルタントの仕事内容と共通点がある。
コンサルティングファーム側も金融業界出身者を歓迎しており、採用人数も多いため、内定のハードルも高くない。
大手コンサルティングファームであれば、大手金融機関と同等かそれ以上の給与水準が狙えるだろう。
ただし、コンサルは激務で知られているため、金融業界で働いている頃よりも仕事が忙しくなることは覚悟しておこう。
まとめ
金融機関の方が転職を考えた時にはまず転職サイトに登録してみると良い。
転職サイトでは、登録が完了すると自分が希望する条件を指定して求人を検索することができる。気になる求人があれば応募して選考を受けることができるので、自分のペースで進めることができるメリットがある。
一方、たくさんの求人が掲載されているため悩んでしまうこともあるだろう。そんなときはプロである転職エージェントに相談してみるのも良いだろう。特にアドバイザーナビは金融業界に特化して転職支援をしている会社である。コンサルタントが全員証券会社出身であるので、転職についてはもちろん、業界内の構造が複雑な金融業界への理解も十分である。エージェントの利用は無料なので、とりあえず話を聞いてみるのをおすすめする。
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