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金融商品の仲介と媒介の違いとは?IFAの主力事業としての金融商品の売買の媒介

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IFAとは、“Independent Financial Advisor”の略称である。
日本語では、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と訳されている。

「独立系」という名前の通り、金融機関に所属していないため、中立的な立場から金融に関するアドバイスの提供や金融商品の販売の媒介が可能だ。

主力事業は、金融商品の販売の媒介だが、「媒介」と「仲介」とはどのような違いがあるのだろうか。

目次

金融商品の売買の媒介を行うIFA

IFAは、中立・公平な立場から、顧客向けに金融アドバイスを提供している。また、顧客向けに金融商品の売買の媒介を行っている。

IFAは、自社で金融商品を販売しておらず、証券会社の代理として、金融商品の売買の媒介を行っているのだ。
IFAは、証券会社から手数料の一部を受け取ることで収益を上げており、金融商品の売買の媒介はIFAの主力事業である。
自社で金融商品を販売することと証券会社と顧客の間に立って、金融商品の売買を媒介をすることには明確な違いがある。

仲介と媒介は基本的に同じ意味

金融業界では、「金融商品仲介業」「金融サービス仲介業」「有価証券の売買の媒介」といった文脈で「仲介」や「媒介」といった言葉が使用される。

基本的に「仲介」と「媒介」は同じ意味である。どちらも「買い主と売り主の間に立って、仲立ちをする、あるいは取りまとめる」という意味だ。
金融業界では、買い主である顧客と売り主である証券会社の間にIFAが入って、売買取引を取りまとめることを指す。

仲介とは?

仲介とは、本来は買い主と売り主の二者間で行われる取引に第三者が入って、話を取りまとめることだ。
何らかの事情で当事者が直接話し合うことができない場合に、取引に介入して、契約まで誘導する。

仲介という言葉は、不動産業界で幅広く使われている言葉である。
この場合、不動産会社が売主の代わりに販売活動を行うことを指す。

媒介とは?

媒介は仲介とほとんど同じ意味である。

本来は買い主と売り主の二者間で取引が行われ、契約が成立する。
しかし、諸事情によって当事者が話し合えない、または第三者が介入した方が円滑に進む場合に、第三者が入って、両者の取引を仲立ちする。

媒介も仲介同様に不動産業界で幅広く使われている。
不動産会社が買い主と売り主の間に立って、契約を成立させる。

金融商品の仲介と媒介の違い

不動産業界では、「仲介」や「媒介」といった言葉が業界用語として使われる。

「仲介」「媒介」といった用語は、金融業界においても使われている。

金融業界や金融商品について、「仲介」「媒介」という言葉が使われる時にどのような意味を持つのだろうか。

金融商品の仲介

「金融商品の仲介」という言葉は法的に定義されていない。
ただし、商法第543条では、仲立営業について「他人間の商行為の媒介をする」と定義している。

しかし、銀行等の金融機関が「金融商品仲介サービス」を事業展開している。
これによれば、金融商品の仲介とは、金融商品取引業者である証券会社が取り扱う金融商品の注文を銀行が受けて、証券会社に取り次ぐサービスである。
顧客は、銀行を窓口として銀行だけではなく、証券会社が提供する金融商品を購入することができる。

実際のところ、「金融商品の仲介」は「金融商品の媒介」とほとんど同じ意味として使われている。

金融商品の媒介

金融商品取引法では、金融商品仲介業の業務として、「有価証券の売買等の媒介」を挙げている。

金融商品取引法における「媒介」とは、証券会社などの金融商品取引業者が販売している有価証券の売買の仲介を行うことである。
ここでいう「有価証券」には、株式や債券、投資信託の受益証券、手形といった財産的価値のある私権を表章する証券を指す。

金融商品の媒介の例としては、IFA(金融商品仲介業者)が証券会社と顧客の間に立って金融商品の売買取引の成立に最大限尽力することが挙げられる。

金融商品の取次ぎ

金融商品の仲介や媒介と並んで、「取次ぎ」という用語がよく使われる。
取次ぎを行うのは金融商品取引業者であり、金融商品仲介業者(IFA)は取次ぎを行うことができない。

取次ぎとは、東京金融取引所の取引参加者資格を持たない金融商品取引業者(第一種・第二種)の注文を受注し、東京金融取引所へ発注することを指す。
発注の時には発注者の資金で注文するが、あくまでも取次ぎを行う金融商品取引業者の名前で発注するため、市場では誰が発注しているのか分からないようになっている。

東京金融取引所の取引参加者資格を持つ金融商品取引業者は、「取次受託サービス」を提供している。

金融商品仲介業者と有価証券の売買の媒介

IFA(金融商品仲介業者)は金融商品取引法の規定に従って、有価証券の売買の媒介を行っている。
IFAは独自の金融商品を保有せず、契約の当事者として顧客と有価証券の売買契約を締結することはできない。

そのため、証券会社(金融商品取引業者)と業務委託契約を締結し、証券会社が販売している金融商品を代理で販売しているのだ。

IFAが有価証券の売買の媒介を行うメリット

証券会社ではなく、仲介業者であるIFAが有価証券の売買の媒介を行うメリットは証券会社、IFA、顧客の三者にある。

●証券会社
証券会社にとっては新しい販売チャネルの開拓につながる。
証券会社は店舗やインターネット上で宣伝し、顧客を集めているが、顧客との接点が多い方が金融商品を購入してもらえる機会が増えることになる。
したがって、証券会社は「IFAサービス」「IFAサポート」といった名称でIFAと業務委託契約を締結している。

●IFA
IFAは、顧客ではなく、証券会社から報酬を受け取っている。
顧客が金融商品を購入する時に証券会社に支払う手数料の一部が還元されているのだ。
有価証券の売買の媒介はIFAにとって主要業務である。

●顧客
意外かもしれないが、IFAが有価証券の売買の媒介を行うことで顧客も恩恵を受けている。
IFAは“Independent Financial Advisor”という名称の通り、「独立系」である。
証券会社や生命保険会社に所属せず、中立・公平な立場から金融商品の販売・勧誘ができる。

証券会社の営業マンは、顧客利益の追求よりもノルマを消化することを優先しがちだが、IFAに金融商品について相談すれば、顧客利益を最大化する金融商品を勧めてくれる。

また、IFAは複数の証券会社や生命保険会社の金融商品を取り扱っている。
証券会社に相談すると、自社で販売している金融商品しか紹介してくれないが、IFAに相談すれば、様々な証券会社の金融商品から自分に合った商品を教えてくれる。

IFAのビジネスモデル

IFAは、金融商品仲介業者として、有価証券の売買の媒介を行っている。

金融商品のニーズのある顧客と金融商品を販売する証券会社の間に立つから、顧客と証券会社はなくてはならない存在だ。

IFAのビジネスモデルは以下のとおりだ。

出典:アドバイザーナビ株式会社「現役IFA218名による業界動向調査 2023年度版アンケート結果」

このように顧客と証券会社が直接やり取りをする必要はない。
売買契約の当事者は顧客と証券会社であるが、当事者が顔を合わせなくても、IFAが仲介することで、契約が成立する。

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